前出の David Flores の父親である Faustino Flores、このロットは当店で二度目のリリースです。
このマイクロロットはファウスティノとサラの夫婦二人によって作られています。二人とも元々はペルー北部の別の県にある、Cutervo市にいてそこからサンイグナシオにやってきました。ファウスティノはコーヒー生産農家として2代目で幼い頃からコーヒーの木に囲まれて過ごしました。農地を拡大する目的と、彼の両親、叔父、叔母が30年前にサンイグナシオに移住していたこともあり、ファウスティノ一家はサンイグナシオ市のディアマンテコミュニティに移りました。移住した後、ファウスティノはより多くの土地を手に入れ、コーヒー生産に専念します。
カトゥーラやブルボンといった品種を2013年に小さい区画に植え始めたのは息子のデイビッドで、最初に収穫したコーヒーをカッパーに送り評価してもらったところ、高い評価が得られ、そのポテンシャルを喜びました。父のファウスティノにも同じようにスペシャルティコーヒー生産を目指すことを求めましたが、父はこれまでのやり方を変えたくなく、また、コーヒーの品質や高い値段で売れることに少し懐疑的でした。親子のそれぞれに違ったアプローチには度々確執がありましたが、ゲイシャやブルボン、イエローカトゥーラといった品種を試しに植えてみることをなんとか説得しました。
本当にファウスティノの考えが変わったのは8年前のこと、ファウスティノがゲイシャのコーヒーの実を口に含み、噛んだ時、これは違う!と実感しました。その後、その初めての収穫のコーヒー生豆を送り、評価してもらったところ、なんと90点の評価を得て、これを聞いたファウスティノは歓喜しました。デイヴィッドはファウスティノのみならず残りの家族も納得させ、コミュニティ全体や周辺の農家にもその経験をシェアし、意見交換を行っています。
お互いの農園を訪ね、コーヒーの木について分析したり、品質を向上していく旅路の中で共に学び合っています。そして今、ファウスティノはより良いコーヒー生産のため、速いスピードで生産環境の充実に動いています。天日乾燥棚もその1つです。既に素晴らしいコーヒーですが、今後さらに輝かしい未来がファウスティノとサラ、そしてファミリーに約束されているはずです。
David Flores 同様、複雑なアシディティと甘さが高いレベルで調和したこの El Diamante コミュニティのポテンシャルに魅了されています。
グレープやプラムの様な濃色の果実、枇杷やみかんのような柔らかい印象の風味と甘さを持ちます。カスカラのような味わい、アッサム地方の紅茶を思わせる心地よいタンニン感を伴った余韻が続きます。
農園名:La Mandarina(ラ マンダリーナ)
生産者:Faustino Flores Benegas(ファウスティノ・フローレス・ベネガス)
生産国:Peru(ペルー)
生産地域:San Jose de Lourdes, San Ignacio, Cajamarca(カハマルカ、サン イグナシオ、サンホセ・デ・ロウルデス)
コミュニティ:El Diamante(エル ディアマンテ)
品種:Yellow Caturra(90%), Bourbon(10%)
標高:1,710m
生産処理方法:Washed(水洗式)
ローストカテゴリ:The Middle(中煎り)
フレーバープロファイル:Grape, Plum, Loquat, Mandarin Orange, Cascara, Assam Tea, Lively, Brown sugar, Smooth mouthfeel
“The Middle” はこれまでリリースしていた“Roasty” の後継となります。コーヒーカウンティのメインのロースト(浅煎り)よりも若干深めのローストです。
浅煎りではそれぞれの豆特有のフレーバーやアシディティを最大限に引き出すことを主題にしており、ローストによる焦げた風味は極力与えないことを目指しています。
一方、“The Middle” ではフレーバー、アシディティ、甘さ、マウスフィールといた味わいの要素を満遍なく引き出した “中煎り” で、正に “真ん中の味わい” を目指したものです。