この農園が位置するクスコは、インカ帝国で知られるように偉大な文化背景を持つ土地です。子々孫々とあらゆる伝統、文化だけでなく多様な在来種の種子などの貴重な遺産が残されていて、ジャガイモを含めた塊茎類だけでも約3000種類を超える在来種が未だに人々によって守られています。山岳地帯であることから日中と朝夕の気温差が大きく、地理的条件と気候条件が上手く重なり、優れた農業地域として古代から発展してきました。勿論、これらの条件はコーヒーにとっても最適な環境で、年々コーヒー栽培も増加していて、なおかつ既に高い評価を受けており、今後も高い品質のコーヒーを生産する優れた土地として期待されています。
生産者は「アイニ」や「ミンカ」と言う先祖から受け継がれている習慣を今もなお続けていて、アンデスの多くの先住民が話すケチュア語で、「アイニ」は「今日は私のため、明日はあなたのため」を意味し、互いに助け合ったり資源を共有したり、コミュニティ全体の利益のために協力する習慣を指しています。「ミンカ」という言葉も同様にケチュア語に由来し、コミュニティのメンバーが集まり、家族やそれぞれの仕事や活動を支援する共同の取り組みを指していて、生産者の場合はコーヒー栽培、収穫、加工作業がその意味にあたります。
この素晴らしいレッドカトゥーラのコーヒーはジェンリィ・チャベス・マイタンさんによって作られていて、彼の農園はクスコ県、ラ・コンベンシオン市のインカワシ地区とビルカバンバ地区の境界付近、ペルーのアンデス山脈のビルカバンバ山系にある標高5152m、チョケサフラ山の近くの海抜2160mに位置しています。
柑橘の花のようなアロマにはじまり、杏や熟れた無花果、ジューシーなさくらんぼやブドウなどの果実味に、糖蜜のような異国的な甘さが液体を特徴を持たせています。ダージリンの茶葉感と、この農園の高い標高に由来するフローラルな印象が長く感じられる余韻をお楽しみ下さい。
生産者:Jhenrri Chávez Maytan (ジェンリィ・チャベス・マイタン)
農園名:La Encantada (エンカンターダ農園)
生産国:Perú (ペルー)
生産地:Cusco, La Convención Province, Inkawasi
(クスコ県、ラ・コンベンシオン市、インカワシ地区)
品種:Red Caturra(レッドカトゥーラ)
標高:2,160 m
精製方法:Washed(水洗式)
ローストレベル:Light roast(浅煎り)
フレーバープロファイル:Orange Blossom, Apricot, Fig, Cherry, Grape, Darjeeling, Exotic, Molasses, Floral Aftertaste