ペルー南部のプーノ県アヤパタ地区からのコーヒーです。2018年、2023年と同県を訪れました。昨年も買い付け、リリースしましたが、今季は Cultivar 社から直輸入により買い付けています。
プーノへは、チチカカ湖近くの最寄りの空港から車で危険な道を10時間程かけて行きます。途中、高度4,500mを超える山岳地帯を超えてようやく、まさに秘境とも言える場所、アヤパタ地区に辿り着くのです。困難な道のりですがコーヒーは素晴らしいものがあり、また行き来が少ないためか、伝統的な品種が多く残り、その純度は守られています。コーヒーを輸出するにも同じ道を通らざるを得ません。決してコーヒー生産が容易な場所ではありませんが、これからも続いていくことを願うコーヒー産地です。
このロットはカラバヤ市の10の地区のうちの一つ、アヤパタ地区に住む4人の生産者から作られたロットです。
Adan Rodrigo(アダン・ロドリゴ)さんはこのロットの主要生産者です。彼は Alto Mirador という2 ヘクタールの農園を所有、2023年には、カップ・オブ・エクセレンスで26位を受賞しています。彼のコーヒーは重さのあるまろやかな甘み、チョコレートの香りを伴い、グレープ、紫色の果物、トロピカルフルーツ、繊細な余韻がある味わいと評されています。アダンさんはアイマラ族出身で、妻とともにアヤパタに住んでいます。
アダンさんは 2010 年からエスキラヤ渓谷でのコーヒー栽培を始めました。コーヒーの輸送にはラバに乗って6時間以上を要する困難な旅を伴いますが、標高1850メートルの彼の農園は濃い霧の恩恵を受け、良質のコーヒーに成熟します。当初はカトゥーラ(レッド、イエロー)が栽培されていましたが、2014年にはブルボン種が植えられ農園を拡大しました。この地区の家族はコーヒーの生産以外にも、ジャガイモ、トウモロコシや柑橘類、ピタヤ(ドラゴンフルーツ)などの果物を栽培します。
The Middle でのリリース。杏や林檎、ぶどうの果実感に、栗やチョコレート、メープルシロップのようなふくよかな甘さが感じられます。
ロット名 : Ayapata(アヤパタ)
生産者 : Adan Rodrigo Quispe, Martin Condori, Luzmila Tapia, Gregorio Soncco Huaman
生産国 : Peru(ペルー)
生産地域 : Ayapata, Carabaya, Puno(プーノ県、カラバヤ市、アヤパタ)
標高 : 1,800~1,900m
品種 : Bourbon, Caturra, Typica(ブルボン、カトゥーラ、ティピカ)
生産処理方法 : Washed(水洗式)
ローストレベル:The Middle(中煎り)
フレーバープロファイル:Red Grape, Apricot, Red Apple, Chestnut, Chocolate, Maple Syrup, Transparent
“The Middle” はこれまでリリースしていた“Roasty” の後継となります。コーヒーカウンティのメインのロースト(浅煎り)よりも若干深めのローストです。
浅煎りではそれぞれの豆特有のフレーバーやアシディティを最大限に引き出すことを主題にしており、ローストによる焦げた風味は極力与えないことを目指しています。
一方、“The Middle” ではフレーバー、アシディティ、甘さ、マウスフィールといた味わいの要素を満遍なく引き出した “中煎り” で、正に “真ん中の味わい” を目指したものです。