ペルー南部のプーノ県アルトイナンバリ地区のコーヒーです。
2018年、2023年と同県を訪れました。
チチカカ湖近くの最寄りの空港から車で危険な道を10時間程かけて行きます。途中、高度4,500mを超える山岳地帯を超えてようやく、まさに秘境とも言える場所、アルトイナンバリ地区に辿り着くのです。困難な道のりですがコーヒーは素晴らしいものがあり、また行き来が少ないためか、伝統的な品種が多く残り、その純度は守られています。コーヒーを輸出するにも同じ道を通らざるを得ません。決してコーヒー生産が容易な場所ではありませんが、これからも続いていくことを願うコーヒー産地です。
プーノはペルー南部、海抜3,812mで知られるチチカカ湖にボリビアと共に面しており、山岳地帯で標高が高く冷涼な土地を持ち、スペシャルティコーヒーが栽培されるエリアではジャングルや渓谷が広がる魅力的な土地で、近年高品質なコーヒーの生産地として知られるようになってきました。
このキキラという名前は、大昔にキラと呼ばれる巨大な蛇の伝説に由来し名付けられていて、ある日その大蛇がこの地域を訪れ行手を阻む障害物全てを押しのける形で横切っていったそう。そうして開かれた道を、あらゆる人がライフラインとして使うだけでなくマラリア治療薬なども運び、大きな恩恵を受けたことがきっかけとなりこの名前が今もなお残っているそうです。
キキラではインカのアンデスの慣習が今もなお残っていて、クスコ地域の人々がこのエリアに移住してきたため、南アメリカの代表的な先住民言語であるケチュア語も話されています。キキラの土地は平坦で土壌が肥沃なためコーヒーだけでなく、柑橘類やパパイヤ、オオバコ、コカの葉、キャッサバ、トウモロコシなども栽培されコーヒー以外の収入源としても重要な作物となっています。
花梨を思わせる華やかなアロマにはじまり、蜜を含んだ赤林檎や杏、柚子といった黄色の和柑橘の果実の印象。液体はシロップのような質感と共にきび砂糖の甘さが感じられ、心地よい余韻が続きます。
コミュニティ : Quiquira(キキラ)
生産者 : Flora Cuba, 他
生産国 : Peru(ペルー)
生産地域 : Alto Inambari, Sandía ,Puno(プーノ県、サンディア市、アルトイナンバリ)
標高 : 1,800~2,000m
品種 : Bourbon(ブルボン)
生産処理方法 : Washed(水洗式)
ローストレベル:Light roast(浅煎り)
フレーバープロファイル:Quince, Red Apple, Apricot, Yuzu, Brown Sugar, Syrupy Mouthfeel, Long Aftertaste