The Middleとして初めてのリリースとなるメキシコは南部のエリア、チアパス州ヤハロンに位置するエルビラさんの農園です。農園主のエルビラさんは3代目にあたり、彼女の家族によって代々コーヒー生産に関わる農園管理をしてきました。
この農園は雲霧林(cloud forest)と呼ばれる微小気候の環境を持ち、霧が多く湿度の高い場所で成長する常緑樹林で、土壌は腐植質に富んでいるため養分が多いことも特徴。農園全体のうち約4割は環境保全林となっていて、絶滅危惧種の鳥類、爬虫類や樹齢100年を超える木々が生い茂る素晴らしいテロワールを持ちます。
2016年から農園に適した品種を試行錯誤しており、現在ではBourbon, Obata, Geishaの3種類を育てていて、適切な手入れと農園管理をすることで生産量を向上させる努力を続けています。
そして2019年にヤハロンのローカルコンペで優勝したことを皮切りに、スペシャルティコーヒー市場において注目されるようになり、その後様々な精製処理を試す中で2023年にCup of Excellenceにおいて23位に入賞を果たし、今もなお精力的に生産処理技術の向上のため実験実証に努めています。
2024年の秋には来日していたエルビラさんに会うことができました。若く精力的な方で目を輝かせて農園のユニークな環境について話してくださり、農園を訪れてみたいと強く思いました。
The Middleのローストにより、チョコレートやオレンジピール、メキシコ特有のクローブを思わせる甘さを伴うスパイシーな印象も。熟した杏やダークチェリーの果実味が、粘性のある質感と共に心地よく続きます。
生産者:Elvira Trejo Escobar(エルビラ・トレホ・エスコバル)
農園名:San Juan del Vesubio (サン・フアン・デル・ベスビオ)
生産国:Mexico (メキシコ)
生産地域:Yajalon, Chiapas (チアパス県 ヤハロン)
品種:Bourbon
標高:1,500〜1,800m
生産処理方法:Washed(水洗式)
ローストレベル:The Middle(中煎り)
フレーバープロファイル : Apricot, Dark Cherry, Orange Zest, Chocolate, Clove, Oolong Tea, Sweet Aftertaste
“The Middle” はこれまでリリースしていた“Roasty” の後継となります。コーヒーカウンティのメインのロースト(浅煎り)よりも若干深めのローストです。
浅煎りではそれぞれの豆特有のフレーバーやアシディティを最大限に引き出すことを主題にしており、ローストによる焦げた風味は極力与えないことを目指しています。
一方、“The Middle” ではフレーバー、アシディティ、甘さ、マウスフィールといた味わいの要素を満遍なく引き出した “中煎り” で、正に “真ん中の味わい” を目指したものです。