2024年に続き、2025年10月下旬にクスコ県インカワシ地区の生産地を訪ねました。生産地に辿り着くまでの過酷な道のり、かかる時間は決して容易なものではないですが、息を飲むほどの圧倒的な景観やコーヒー生産におけるその独自性、何よりその高い品質は他に代え難いものです。今季は2024年の買付けで構築した信頼関係を元に買付量を増やしました。
コーヒー農園は、クスコ地方、ラ コンベンシオン県、インカワシ地区の雪を頂いたチョケサフラ山の麓の谷に位置し、環境と調和しながら、アイニやミンカといった先祖のインカ人の習慣(今日は私の農園で働き、明日はあなたの農園で働く、などの互助)を維持しながら運営されています。特徴的なのは農園の多くが2,000m以上の高い標高に位置し、2,400m を超えるコーヒー農園もあることです。
セルヒアさんのPaqchaq Pata農園は川沿いを歩き続け、急勾配の坂を登り続けた先にあります。周りには細い白線を描く滝も見えます。
最初は我々の訪問に戸惑っているような印象でしたが、徐々にご自身やコーヒーについての話をしてくださいました。
現在60歳、小柄でとても可愛らしい雰囲気の女性生産者ですが、そんな彼女の生い立ちは壮絶なものとも言えます。彼女はコーヒー農家の家庭に育ったわけではなく、生後6ヶ月で両親をなくした孤児であり、インカワシ全体がコーヒーで成り立つ地域であることから、自然とコーヒー生産に携わることになりました。
15年前から夫婦でこの農園を切り盛りしていましたが、4年前にご主人がなくなり、以降は子どもたちの手を借りながらひとりで農園を続けています。
柔らかい甘さの中に、複雑かつ繊細な味わいを持ったセルヒアさんのカトゥーラ種。アプリコットや枇杷、梨の熟れた果実の印象に、クコの実やワイルドベリーの風味も感じられます。
丸みのある口当たりとブラウンシュガーのような柔らかい甘さがあり、毎日飲みたくなるような優しい味わいです。
農園名 : Paqchaq pata(パクチャク・パタ)
生産者 : Sergia Maytan(セルヒア・マイタン)
生産国 : Perú(ペルー)
地域 : Pacaybamba, Inkawasi, Cusco(クスコ県、インカワシ、パカイバンバ)
標高 : 2,230m
品種 : Caturra(カトゥーラ)
生産処理方法 : Washed(水洗式)
ローストレベル:Light roast(浅煎り)
フレーバープロファイル:Apricot, Loquat, Pear, Goji Berry, Wild Berries, Brown Sugar, Complex, Round Mouthfeel